「もっと早く相談していれば」
この言葉を、私は何度聞いてきたか分かりません。
病院でも、福祉の現場でも、退院支援でも、地域の生活支援でも、
同じ場面に何度も立ち会ってきました。
相談は「問題が起きてから」では遅いことが多い
多くのご家族は、
- 入院した
- 転倒した
- 認知症が進んだ
- お金の管理ができなくなった
- 近所から苦情が来た
こうした“出来事”が起きてから動きます。
ですが現場の感覚で言うと、
この時点ではすでに
選択肢がかなり減っています。
実際にあったケース
以前、80代のご夫婦がほぼ同時期に入院されたことがありました。
退院前に家屋調査でご自宅に伺うと、
中は安全に生活できる状態とは言えませんでした。
それでも本人は
「ここが自分の家だから」
と強く望み、予定通り自宅へ。
結果として
- 老々介護
- 再入院
- 施設入所
- 最終的に空き家
という流れになりました。
誰かが悪い話ではありません。
ただ、
もう戻せない段階で判断を迫られていた
それだけです。
別のご家庭では
60代のお母さまが、
制度の範囲では足りず自費ヘルパーを使いながら生活していました。
お子さんは遠方。
退院のタイミングで
- このまま独居でいいのか
- 東京に呼ぶのか
- 施設を探すのか
- 家はどうするのか
一気に問題が噴き出しました。
これも、
もっと前から整理できていれば
選べる道は増えていたケースです。
現場で共通していたこと
障がい、高齢、生活困窮
分野は違っても、共通していたのは
「まだ大丈夫」と思っている時間が長い
という点でした。
そして、動くきっかけはいつも
- 事故
- 病気
- トラブル
- 限界
です。
このブログの立ち位置
このブログは
緊急対応の窓口ではありません。
まだ動けるうちに、
家族で整えるための情報を発信しています。
私がこの発信をしている理由
私は作業療法士として医療・福祉の現場に関わり、
現在は生活と仕事の支援に携わっています。
現場で感じていたのは、
制度は「起きた後」の支援は強いけれど、
起きる前の整理を手伝う仕組みがほとんどないということでした。
本当は、
- 住まい
- お金
- 家族
- 役割
- 支援の使い方
これらを元気なうちに少し整えるだけで、
崩れ方は大きく変わります。
だからこそ
「何か起きたら相談しよう」ではなく
「何も起きていない今のうちに、
一度だけ状況を棚卸ししておく」
それだけで十分です。
特別なことをする必要はありません。
もし
- 親がまだ元気なうちに整理しておきたい
- 何から見直せばいいのか分からない
- 家族の中で話題にしにくい
という段階であれば、
個別に状況整理のお手伝いもしています。
まとめ
現場で何度も見てきたのは
「壊れてから頑張る家族」でした。
本当は、
壊れる前に少しだけ整えた方が
本人も家族もずっと楽になります。

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