数字で見る現実と、生活設計に欠かせない視点
私たちが関わる生活支援の現場でよく出てくる質問の一つがこれです。
「成年後見制度って利用したほうがいいですか?」
結論から言うと、
制度自体はとても重要だけれど、使い方や適用のタイミングがすごく大事です。
そして 数字で見ると、その利用状況には大きなギャップがあります。
成年後見制度の利用者って、どれくらいいるの?
まず最新の数字を見てみましょう。
公的な調査によれば、日本で成年後見制度を利用している人は、
📌 法定後見・保佐・補助・任意後見を合わせて約5,600人程度
(※令和6年5月時点)
この制度の中でも最も一般的な「成年後見制度」に限定すると、
📌 約 3,600人超 が利用しています。
この数字を見ただけではピンと来ないかもしれませんが…
それって多いの?少ないの?
日本では、
✔ 認知症の高齢者は年々増加
✔ 知的障害や精神障害の方も成人後に判断力が低下することがある
という状況にも関わらず、
👉 成年後見制度を利用しているのは全体のほんのわずかです。
ある調査では、認知症患者数や判断支援が必要な人の推計に対して、
📌 利用率は 約2〜4%程度 という数値も報告されています。
つまり多くの人は、必要な状況でも制度にアクセスできていません。
成年後見制度が必要になるのはどんな時?
成年後見制度は、主に次のような場面で活用されます。
■ 財産管理
■ 契約行為の代理
■ 日常生活の法律行為(住居契約、販売契約など)
■ 医療・介護に関する意思表示支援
※制度は大きく
・法定後見(裁判所が後見人を選任)
・任意後見(本人が元気なうちに契約)
に分かれています。
とても安心できる制度ですが、
利用するためには家庭裁判所への申立てが必要です。
なぜ制度は活かされにくいのか?
数字だけ見ると、「高齢化が進むのに利用者が少ない」と感じませんか?
これはいくつかの理由が考えられています。
✦ 制度への理解不足
制度自体を知らない人が多いこと。
身近に利用者がいないという人も多数います。
✦ 利用への心理的抵抗
本人や家族が
「まだ大丈夫だと思っている」
という段階で動きにくい。
✦ 手続きの負担感
裁判所への申立てや必要書類に
ハードルを感じてしまう場合があります。
制度を使うべきタイミングとは?
制度は
✔ 判断能力が不十分になってから
ではなく、
✔ まだ判断能力があるうちに
考えることがベストです。
つまり
「壊れてから動く」ではなく
「壊れる前に備える」
ということです。
生活設計の視点で考えると
成年後見制度は、
👉 お金・住まい・契約
という“リスクが具体化した時”の制度です。
でも
生活が崩れるサインはそれ以前に出ています。
例えば…
- 年金の使い方が見えない
- 家計の優先順位がない
- 支援機関とうまく連動できない
こうした段階で動くべきことを先に整えることで、
成年後見への依存だけではない
自分らしい生活設計が見えてきます。
制度はあくまで「ツール」です
成年後見制度はとても有効な仕組みですが、
⭐ 制度に頼るだけでは
生活は整いません。
それよりも、
✔ 判断能力が低下する前に
設計することが大事
例えば、
- 判断力が萎えてからでは
契約も遺言も書けなくなる
(判断能力が必須です) - 契約できない間の生活資金が凍結する
(法的な制約が出ます)
だから私はこう考えています
成年後見制度は
「最後のセーフティネット」ではありません。
人生のある段階で
自分で選択できるうちに備えるための仕組みです。
そしてその前提にあるのは、

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