障害年金で賃貸に申し込むとき、何を準備する?

障害とお金

部屋探しを進めるための書類と相談の仕方――函館の相談先も紹介

「障害年金で生活しています。アパートを借りたいのですが……」

不動産会社に相談しようとしても、そこから何を説明すればよいのか分からず、ためらうことがあるかもしれません。

働いていないと断られるのだろうか。親に保証人を頼めないけれど大丈夫だろうか。収入を聞かれたら、何を見せればよいのだろう。

家族も同じように、「本人は一人暮らしを希望しているけれど、どう探せばよいか分からない」と感じることがあります。

障害年金を受給していることだけで、すべての賃貸住宅を借りられないと決まるわけではありません。ただし、貸主や管理会社、保証会社によって確認する内容や判断は異なります。

そこで今回は、審査に必ず通る方法ではなく、不動産会社に具体的な相談をし、申し込みを進めるために準備しておきたいことを整理します。

最初に整理するのは「収入・予算・連絡先」

物件の写真や間取りを見る前に、次の内容をメモしておくと、相談を進めやすくなります。

整理しておくこと具体的な内容
毎月の収入障害年金、給与、工賃、継続的な援助など
毎月払える住居費家賃だけでなく、管理費・共益費なども含めた上限
契約時に使えるお金初期費用、引っ越し、家具・家電に使える額
入居したい時期急いでいるのか、数か月かけて準備できるのか
保証人・緊急連絡先頼める人がいるか、まだ相談していないか
必要な支援訪問支援、相談支援、家族の協力など

すべて決まっていなくても構いません。「保証人は頼めない」「緊急連絡先は家族に相談中」と、現状が分かることが大切です。

また、年金が複数月分まとめて振り込まれる場合には、振込額と、月額に換算した収入を分けて整理します。入金された月だけを見て家賃の予算を決めないようにします。

障害年金の収入は、何を見せればよい?

給与で生活している人なら、給与明細や源泉徴収票を求められることがあります。障害年金が主な収入の場合は、何を提出すればよいのでしょうか。

まず、不動産会社にこう確認してください。

主な収入は障害年金です。収入の確認には、どの書類が必要ですか。年金額が分かる通知書や、入金が分かる通帳で確認できますか。

手元では、年金証書、年金額改定通知書、年金振込通知書、入金が分かる通帳などがあるかを確認しておきます。ただし、これらを全部提出するという意味ではありません。必要な書類と対象期間は、申し込み先に確認します。

実際に、日本セーフティーの必要書類案内では、年金受給者の確認資料として、年金の源泉徴収票または名義・直近の取引履歴が分かる預金通帳のコピーが挙げられています。これは一社の例で、他社でも同じとは限りません。

「年金受給者向け」と書いてある案内が、自分の受給している年金にもそのまま当てはまるとは限りません。書類を取り寄せたり、個人情報を送ったりする前に、障害年金での申し込みであることを伝えて確認しましょう。

保証人と緊急連絡先は、別々に確認する

「親が高齢なので、保証人を頼めない」

部屋探しでは、よく心配になるところです。ただ、保証人と緊急連絡先を一つにまとめず、別々に確認する必要があります。

連帯保証人は、契約に基づいて家賃などの債務を保証する立場です。一方、緊急連絡先は、本人と連絡が取れない場合などの連絡先です。緊急連絡先として登録することと、連帯保証契約を結ぶことは同じではありません。

また、保証会社を利用する物件でも、緊急連絡先を求められる場合があります。「保証人不要」という表示だけで、誰の連絡先も必要ないとは判断できません。

相談では、次のように聞き分けます。

  • 連帯保証人は必要ですか。
  • 保証会社を利用する場合、保証人は不要になりますか。
  • 緊急連絡先には、どのような条件がありますか。
  • 親族に頼めない場合、相談できる方法はありますか。

保証料についても、契約時の費用だけでなく、更新時や毎月の負担があるかを確認してください。

支援者や事業所の職員を連絡先にしたい場合も、本人だけで決めず、相手の所属先と不動産会社の両方に確認します。

不動産会社への最初の相談は、こう伝える

相談の最初から、病歴や生活歴をすべて説明しようとすると、本人も家族も疲れてしまいます。

まずは、物件探しに必要な条件を簡潔に伝えます。例えば、次のような形です。

障害年金を主な収入として、一人暮らしの部屋を探しています。月の収入は約○万円で、家賃と管理費を合わせて○万円以内を考えています。初期費用には○万円ほど用意できます。連帯保証人は頼めませんが、緊急連絡先については家族に相談できます。この条件で申し込める可能性のある物件を探していただけますか。

必要な支援がある場合は、その内容も伝えます。

例えば、定期的に訪問支援を利用している、困ったときには相談支援専門員に連絡できる、家族が近くに住んでいる、といったことです。実際に利用している支援と、これから利用したい支援は分けて説明します。

障害や病気について、質問に事実と異なる回答をすることは避けます。一方で、必要以上の医療情報を広く渡すのではなく、何の確認に必要なのかを聞き、提出する範囲を整理してください。

申し込む前に、初期費用の見積もりをもらう

家賃が予算内でも、契約時に必要なお金が足りなければ入居は進みません。

敷金・礼金、仲介手数料、保証料、保険料、前家賃など、何がいくら必要かを書面で確認します。鍵交換や清掃などの費用が含まれている場合は、その内容と支払時期も聞きましょう。

見積もりでは、次の三つに分けると考えやすくなります。

お金の種類確認すること
契約・入居時に払うお金初期費用の合計と支払期限
毎月払うお金家賃、管理費、月額保証料など
後から払う可能性があるお金更新料、保証の更新料、退去時の契約上の負担など

そのほかに、引っ越し代、寝具、冷蔵庫、洗濯機なども必要になります。

**契約できる金額と、入居後も暮らせる金額は別です。**初期費用を払った後、手元にいくら残るかまで確認します。

函館で探すなら、相談に協力的な不動産店という入口もある

函館市には、住宅の確保に配慮が必要な人の入居を支えるための「函館市居住支援協議会」があります。

市の案内では、住宅探しに不安がある人の相談先として、入居に協力的な不動産事業者を登録する制度が紹介されています。2026年10月1日時点の掲載先は、次の5社です。

不動産店所在地電話番号
株式会社アシスト不動産函館市中道1丁目24番44号0138-76-4058
協和ハウス有限会社函館市富岡町2丁目14番3号0138-40-0133
株式会社よしだ不動産函館市本通2丁目31番6号0138-31-3800
株式会社アイエフプラン函館市富岡町2丁目28番18号0138-84-5942
株式会社ジャイロ函館市堀川町14番11号0138-76-6411

市は、来店前に電話するよう案内しています。登録店であっても、希望する物件への入居や審査通過が保証されるものではありません。現在の収入、予算、保証人や緊急連絡先の状況を伝えて相談してください。

函館市居住支援協議会・協力不動産店の案内

家計や住まいの問題が重なり、どこから整理すればよいか分からない場合は、函館市の生活困窮者自立支援制度の相談先もあります。市では、地区を担当する地域包括支援センターに併設された自立相談支援機関へ相談するよう案内しています。高齢者の相談だけに限った窓口ではありません。

函館市「生活困窮者自立支援制度について」

函館では、家賃と一緒に冬の暮らしも確認する

函館で部屋を探すなら、家賃に加えて暖房設備や冬の移動も確認したいところです。

暖房は何を使うのか。設備として付いているのか。灯油などの手配はどうするのか。除雪は誰が行うのか。買い物や通院に、冬も同じ方法で行けるのか。

暖房費の見込みを聞く場合も、以前の入居者の使用状況と、自分の在宅時間では条件が違います。過去の金額が、そのまま自分の支出になるとは限りません。

家賃が安くても、交通費や生活を維持するための負担が大きければ、家計に余裕が出ないことがあります。

部屋探しでは、家賃だけでなく、その場所で自分が暮らす場合の支出を考えます。

これから増やしたい収入と、今確認できる収入を分ける

一人暮らしのために、仕事やネット販売で収入を増やしたい人もいるでしょう。

その取り組みは、これからの生活の選択肢を広げる可能性があります。ただ、賃貸の申し込みでは、現在確認できる収入と、今後得たい収入を分けて説明する必要があります。

「これから物を売って毎月○万円稼ぐ予定です」という見込みだけで、審査や家計を組み立てることはできません。

販売実績がある場合も、売上と経費を引いた利益、入金時期は別です。審査資料として何が必要かは、申し込み先に確認します。

まずは今の収入で無理なく払える住居費を考え、収入づくりは入居後の予備費や生活の余裕を育てる方法として取り組む。実績が積み重なったら、次の暮らし方を考える。

住まいの確保と収入づくりをつなぐときにも、この順番を大切にしたいと思います。

最初の相談に持っていくメモ

部屋探しを始める方は、次の項目を一枚にまとめてみてください。

  • 毎月の収入と、その内訳
  • 家賃・管理費を合わせた予算
  • 初期費用と引っ越しに使えるお金
  • 入居希望時期と希望地域
  • 保証人・緊急連絡先について頼める人
  • 現在利用している支援と、入居後に必要な支援
  • 手元にある収入確認資料

全部そろってからでなければ相談できない、ということではありません。分からない項目があれば、それを確認することも相談です。

「借りられるでしょうか」という不安を、書類や条件、探す地域など、一つずつ確認できる課題に変えていく。それが、実際の部屋探しを進める最初の一歩になります。

住まいと家計を整理したい方へ

福祉特化FPでは、一人暮らしを希望する本人や家族に向けて、家賃の予算、初期費用、毎月の生活費、利用している支援などを合わせて整理します。

「不動産会社へ相談する前に、何をまとめればよいか分からない」という段階でも、ご相談ください。

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参考資料

※相談先などの掲載情報は2026年10月28日に確認しています。必要書類や保証条件は物件・契約・保証会社によって異なります。

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