~「最初のズレ」はここでした~
大きな問題は、突然起きているように見えます。
体調の悪化、入院、家族の負担、
お金の不安、住まいの維持が難しくなること。
外から見ると「急に状況が変わった」と感じますが、
現場で関わっていると、ほとんどの場合そうではありません。
多くのケースでは、
もっと前の段階に小さな“ズレ”が生まれています。
今日は、その共通点を少し具体的に書きます。
最初に崩れるのは「制度」でも「介護」でもありません
病院で退院前後の生活を見ていた頃も、
その後、福祉の現場で継続的に関わる中でも、
同じ流れを何度も見てきました。
最初に変化が出るのは、
■介護体制
■制度利用
■家族関係
よりも前の段階です。
日々の生活の回し方そのものに、
小さな無理が出始めます。
これは
■高齢の家庭
■障がいのある家族がいる家庭
■単身世帯
■共働き世帯
どこでも起こり得る、ごく普通の変化です。
共通して見てきた「最初の3つのズレ」
1 生活空間の使い方が変わり始める
■使わない場所が増える
■物の置き方が偏る
■動線が狭くなる
■片付けが後回しになる
一見すると些細ですが、
この変化は「余力が減っている」サインでもあります。
実際に自宅を確認した際、
生活する場所とは思えない状態になっていたケースもありました。
本人にとっては「慣れた環境」でも、
負担は確実に増えています。
2 小さな支出が固定化し始める
ここは非常に静かに進みます。
■送迎
■配食
■タクシー移動
■自費サービス
■外注
1回ごとの金額は大きくありません。
ただ、
月1万〜3万円程度の増加が
当たり前の支出として定着していきます。
この段階では
「必要だから」
で処理され、
見直されないまま数年続くことも珍しくありません。
3 判断が先送りされる期間が続く
■まだ何とか回っている
■本人の気持ちを優先したい
■いま動くほどではない
■忙しくて手が回らない
困っていないわけではない。
しかし動く決定打もない。
この状態が長く続くほど、
■体力
■家計
■家族の余裕
■選択肢
が少しずつ削られていきます。
本当に長いのは「問題が起きた後」ではありません
多くの人は、
■入院した
■生活が回らなくなった
■お金の心配が現実になった
この後が大変だと感じます。
しかし現場で見ていると、
一番長いのは 「ズレ始めてから調整されないまま過ぎていく期間」です。
この間に
■使えた制度
■選べた住まい方
■維持できた生活水準
が少しずつ減っていきます。
問題は、静かに積み重なっていきます
生活は、ある日突然壊れるわけではありません。
①空間の使い方が変わり
②小さな支出が積み重なり
③判断が先送りされる
この流れが重なったとき、
後からの調整が難しい状態に入っていきます。
これは特定の誰かの問題ではなく、
どの家庭にも起こり得る構造的な変化です。
次回
では、こうした変化が見え始めたとき、
どこを最初に整えると全体が立て直しやすいのか。
制度の話だけではなく、
実際の現場で「最初に触っていたポイント」から整理してみます。

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