【2026年最新版】障害年金はいくらもらえる?働いたら止まる?申請・所得制限・一人暮らしまで全部解説

障害とお金

「障害年金はいくらもらえるのか」

「働いたら障害年金は止まるのか」

「障害年金だけで一人暮らしはできるのか」

「自分も申請できるのか」

障害年金について調べ始めると、次から次へと疑問が出てきます。

しかも、障害基礎年金と障害厚生年金があり、1級、2級、3級があり、20歳前に初診日がある場合には所得制限まであります。

制度が複雑なので、結局「自分の場合はいくらなのか」が分からないまま、何ページも検索している方も少なくないでしょう。

そこでこの記事では、2026年度(令和8年度)の障害年金について、金額だけではなく実際の生活まで含めてまとめます。

私は作業療法士として医療・福祉の現場に関わり、現在は就労継続支援B型事業所を運営しながらFPとして活動しています。

その立場から特に伝えたいのは、

「障害年金をもらえるか」と「そのお金で生活できるか」は、まったく別の問題

だということです。


まず結論 2026年度の障害基礎年金はいくら?

2026年度の障害基礎年金は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、次の金額です。

等級年額月額換算
1級1,059,125円約88,260円
2級847,300円約70,608円

2026年度は、基礎年金が前年度から1.9%引き上げられました。

なお、実際の年金は毎月振り込まれるのではなく、原則として偶数月の15日に前2か月分が支払われます。

障害基礎年金には3級はありません。

1級と2級だけです。

3級があるのは障害厚生年金です。


障害基礎年金と障害厚生年金は何が違う?

ここは非常に重要です。

基本的には、その病気やけがで初めて医師・歯科医師の診療を受けた「初診日」に、どの年金制度に加入していたかが大きく関係します。

たとえば、自営業者や学生などで国民年金に加入していた時期に初診日があれば、障害基礎年金が中心になります。

会社員などとして厚生年金に加入していた期間に初診日があれば、障害厚生年金の対象になり得ます。

障害厚生年金には1級、2級、3級があります。

1級・2級に該当する場合は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金を受け取る仕組みです。

3級は障害厚生年金のみです。

つまり、

「今働いているか」ではなく、「初診日にどの制度に加入していたか」

が重要になります。


障害厚生年金はいくら?

障害厚生年金は、障害基礎年金のように全員同じ金額ではありません。

厚生年金に加入していた期間や、それまでの給与・賞与などをもとにした「報酬比例」で計算されます。

そのため、

「障害厚生年金2級なら月○万円」

と一律には言えません。

ただし、3級には最低保障があります。

2026年度の障害厚生年金3級の最低保障額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、

年額635,500円

です。

1級または2級の障害厚生年金を受ける方に、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるなど一定の要件を満たす場合には、配偶者加給年金額が加算されることがあります。


子どもがいる場合は加算がある

障害基礎年金1級・2級を受給していて、要件を満たす子どもを生計維持している場合は「子の加算」があります。

2026年度は、

年間加算額
1人目243,800円
2人目243,800円
3人目以降1人につき81,300円

対象となるのは原則として、

  • 18歳になった後、最初の3月31日までの子
  • または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子

です。

したがって、「障害基礎年金2級=年間847,300円」とだけ覚えてしまうと、家族構成によっては実際の受給額と違ってきます。


低所得なら「障害年金生活者支援給付金」も確認する

ここは見落としてほしくありません。

障害基礎年金を受給していて、前年所得が一定以下の場合には、年金とは別に「障害年金生活者支援給付金」を受け取れる可能性があります。

2026年度は、

等級月額
1級7,025円
2級5,620円

所得要件は、前年所得が4,794,000円以下です。

扶養親族等がいる場合は基準額が上がります。

障害年金などの非課税収入は、この所得判定には含まれません。

たとえば障害基礎年金2級で給付金の対象になる場合、

障害基礎年金 月額換算 約70,608円障害年金生活者支援給付金 月5,620円

= 月約76,228円相当

になります。

年金本体とは別制度なので、対象になりそうな方は必ず確認してください。


障害年金をもらいながら働ける?

これは、就労支援の現場でも非常によく聞かれる質問です。

「働いたら障害年金が止まりますか?」

結論から言えば、

働いたという事実だけで、すべての障害年金が自動的に止まるわけではありません。

ここを誤解して、

「年金が止まるのが怖いから働かない」

「収入を増やさない方がいい」

と考えてしまう方もいます。

しかし、障害年金は原則として「働いているかどうかだけ」で決まる制度ではありません。

障害の状態が、法律で定められた障害等級に該当しているかが基本です。

ただし、ここで注意があります。

「所得制限がない」と「どんな働き方をしていても障害状態の認定に影響しない」は同じ意味ではありません。

特に精神障害や知的障害などでは、日常生活能力や就労状況なども含めて障害状態が判断されます。

一般企業で安定して働いている場合と、周囲から大きな援助を受けながら働いている場合では、同じ「働いている」でも実態が違います。

だから、

「働いたら即停止」も間違い。

「いくら働いても絶対に関係ない」も間違い。

この理解が大切です。


B型で働きながら障害年金はもらえる?

就労継続支援B型を利用しているからという理由だけで、障害年金が支給停止になるわけではありません。

B型は雇用契約を結ばない福祉サービスです。

工賃を受け取っている方も多くいます。

障害年金を受給しながらB型を利用している方は、実際の福祉現場にもいます。

重要なのは、

「B型を利用しているから受給できる」わけでも、「B型で工賃を得たから年金が止まる」わけでもない

ということです。

障害年金は、その人の障害状態などをもとに判断されます。


20歳前から障害がある人は「所得制限」に注意

ここは、ほかの障害年金と分けて理解してください。

20歳前の年金制度に加入していない時期に初診日がある「20歳前傷病による障害基礎年金」は、本人が保険料を納めて受給権を得た年金ではないため、所得による支給制限があります。

扶養親族等がいない場合、現在の基準では、

前年所得3,761,000円超~4,794,000円以下
→ 年金本体の2分の1が支給停止

前年所得4,794,000円超
→ 全額支給停止

となります。

注意したいのは、これは**「年収」ではなく「所得」**だということです。

給与収入そのものと同じ数字ではありません。

また扶養親族等がいる場合には基準額が加算されます。

所得による支給停止期間は、その年の10月から翌年9月までです。

「障害年金は収入が増えたら止まる」

という話を聞くことがありますが、この20歳前傷病による所得制限と、ほかの障害年金の仕組みが混同されていることがあります。


障害年金に税金はかかる?

障害年金は非課税です。

所得税・復興特別所得税の課税対象ではありません。

そのため、障害年金の受給者には、障害年金についての公的年金等の源泉徴収票も送られません。

ただし、働いて給与を受け取っている場合などは、その給与等については当然別です。

「障害年金が非課税」と「本人に一切税金がかからない」は同じではありません。


障害年金だけで一人暮らしはできるのか

ここからが、福祉特化FPとして一番考えたいところです。

制度上いくら受け取れるか分かっても、

実際に生活できなければ意味がありません。

障害基礎年金2級は、2026年度で月額換算約70,608円。

支援給付金の対象なら約76,228円です。

では、この金額で一人暮らしをするとします。

仮に、

家賃 35,000円
食費 25,000円
光熱水費 10,000円
通信費 5,000円
日用品・衣類など 5,000円

これだけでも月80,000円です。

ここには、

医療費
交通費
家電の買い替え
冠婚葬祭
理美容
趣味
交際費

などをほとんど入れていません。

地域によって家賃も物価も違いますから、一概に「無理」とは言えません。

しかし、

障害基礎年金2級だけで、民間賃貸住宅を借りて生活費のすべてを賄うのは、かなり厳しいケースが多い

と考えておくべきでしょう。

だからこそ、障害年金だけを見るのではなく、

住まい・仕事・福祉サービス・ほかの制度を組み合わせて考える必要があります。


障害年金+B型工賃ならどうなる?

例えば、

障害基礎年金2級+支援給付金で月約76,000円。

ここにB型の工賃が加わります。

仮に工賃が月20,000円なら、

月約96,000円。

月30,000円なら、

月約106,000円。

この2万円、3万円は非常に大きい。

私はB型事業所を運営していますが、工賃を単に「お小遣い」として見るべきではないと思っています。

障害年金と組み合わせれば、

食費になる。

通信費になる。

交通費になる。

あるいは少額でも貯蓄に回せる。

生活の選択肢を増やす収入になります。


一般就労+障害年金という選択肢もある

障害年金を受給しているから、福祉的就労しかできないわけではありません。

一般企業で働きながら障害年金を受給している方もいます。

たとえば、

障害年金+給与収入

という形になれば、生活の安定度は大きく変わります。

ここで重要なのは、

「障害年金か仕事か」の二者択一で考えないことです。

障害年金は、働くことを諦めた人だけの制度ではありません。

障害によって生活や労働に制限がある人の所得を支える社会保障です。

本人の状態に合わせて、年金と就労をどう組み合わせるかを考えることが重要です。


グループホームならどうなる?

一人暮らしが難しい場合、共同生活援助、いわゆる障害者グループホームを利用する選択肢もあります。

グループホームでは、家賃のほか、食費、光熱水費、日用品費などが必要になります。

一方で、障害福祉サービスとして支援を受けられ、所得等の条件によっては家賃負担を軽減する制度が利用できる場合もあります。

ここでも、

「障害年金が月7万円だから住める・住めない」

という計算だけでは判断できません。

自治体、ホームごとの料金、本人の所得、利用できる制度などを合わせて考える必要があります。


障害年金と生活保護は両方もらえる?

これも非常に多い疑問です。

障害年金を受給しているから、生活保護を利用できないわけではありません。

ただし、

障害年金と生活保護を単純に満額ずつ受け取れるわけでもありません。

生活保護では、国が定める最低生活費と世帯の収入を比較します。

障害年金は、生活保護では原則として収入として認定されます。

たとえば、その世帯の最低生活費が仮に月120,000円で、障害年金等の認定される収入が月70,000円なら、

考え方としては、

120,000円-70,000円=50,000円

というように不足分を生活保護が補う仕組みです。

実際の最低生活費は、地域、年齢、世帯人数、家賃などによって異なります。

したがって、

「障害年金があるから生活保護は無理」

と自己判断する必要はありません。

生活が成立しない場合には、福祉事務所へ相談してください。


そもそも、誰でも障害年金を申請できるのか

障害年金は、障害者手帳を持っていれば自動的にもらえる制度ではありません。

手帳の等級と障害年金の等級も別物です。

基本的には、

1.初診日の要件

2.障害状態の要件

3.保険料納付要件

を確認します。

障害基礎年金の場合、原則として、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あることなどが必要です。

ただし、初診日が2036年3月末までにあり、初診日に65歳未満である場合には、一定条件のもと、直近1年間に保険料未納がなければよいという特例もあります。

20歳前の年金制度未加入期間に初診日がある場合には、この納付要件はありません。


「初診日」はものすごく重要

障害年金では、

その病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日

が非常に重要です。

これが初診日です。

「障害者手帳を取った日」ではありません。

「病名が確定した日」とも限りません。

初診日によって、

障害基礎年金なのか。

障害厚生年金なのか。

保険料納付要件を満たしているか。

などが変わる可能性があります。

何年も前の病気では、最初の医療機関が廃院していたり、カルテが残っていなかったりすることもあります。

障害年金の申請で「初診日の証明」が大きな問題になるのはこのためです。


障害認定日はいつ?

原則として、

初診日から1年6か月を経過した日

が障害認定日です。

ただし、1年6か月以内に症状が固定した場合など、例外があります。

この障害認定日に障害等級に該当していれば、「障害認定日による請求」ができます。


過去の分も障害年金をもらえる?

条件を満たせば可能です。

障害認定日にすでに障害等級に該当していた場合、障害認定日の翌月分から受給権が発生します。

ただし、年金には時効があるため、

遡って受け取れるのは原則最大5年分です。

一方、障害認定日には該当せず、その後症状が悪化して障害等級に該当した場合は「事後重症による請求」になります。

こちらは、

請求した日の翌月分から

です。

つまり、

「昔から障害があったのだから、申請すれば何年分でも全部もらえる」

わけではありません。

特に事後重症請求では、請求が遅れれば、その分だけ受給開始も遅くなります。


申請には何が必要?

ケースによって違いますが、障害年金では主に、

  • 年金請求書
  • 医師の診断書
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 本人確認や生年月日等を確認する書類
  • 受取口座に関する書類

などが必要になります。

特に重要なのが、

診断書だけで障害年金が決まるわけではない

ということです。

初診日。

これまでの受診歴。

日常生活の状態。

仕事の状況。

病気や障害によって生活にどんな制限が生じているか。

これらを整理して請求する必要があります。


障害者手帳がなくても障害年金は申請できる?

できます。

障害者手帳と障害年金は別制度です。

そのため、

手帳がない=障害年金を受給できない

ではありません。

逆に、

手帳を持っている=障害年金を必ず受給できる

でもありません。

手帳の等級と年金の等級も、そのまま対応するわけではありません。

ここは非常に誤解されやすいところです。


更新で障害年金が止まることはある?

障害年金には、障害状態が固定しているなどの場合を除き、一定期間ごとに障害状態を確認するケースがあります。

その際には「障害状態確認届(診断書)」などによって現在の状態が確認されます。

状態が軽くなり、障害等級に該当しなくなれば支給停止となることがあります。

反対に、障害状態が重くなった場合には、条件を満たせば等級変更を請求できる場合もあります。

だからこそ、受給開始後も、

自分がどの制度で、何級の年金を、どのような理由で受けているのか

は把握しておいた方がいいでしょう。


障害年金で一番危ないのは「思い込み」

福祉の現場にいると、障害年金についてさまざまな話を聞きます。

「働いたら止まるらしい」

「手帳が2級なら年金も2級」

「親と暮らしていたらもらえない」

「B型で働いているから大丈夫」

「収入が増えたら全員止まる」

どれも、それだけで判断することはできません。

障害年金は、

初診日

加入していた年金制度

保険料納付状況

障害の状態

請求時期

などによって結果が変わります。

さらに20歳前傷病では所得制限という別の問題もあります。

ネット上の「私はこうだった」という体験談だけで、自分も同じだと判断しない方がいい制度です。


福祉特化FPとして一番伝えたいこと

ここまで制度についてかなり詳しく書きました。

でも、最後に伝えたいのは制度の話ではありません。

障害年金の目的は、

「年金をもらうこと」ではありません。

そのお金を使って、どう生活を成立させるかです。

障害基礎年金2級なら月約7万円。

そこに支援給付金があるのか。

仕事ができるのか。

B型の工賃はいくらなのか。

実家で暮らすのか。

一人暮らしをするのか。

グループホームを利用するのか。

家賃はいくらなのか。

医療費はいくら必要なのか。

生活保護を含め、ほかに利用できる制度はないのか。

同じ「障害年金2級」でも、生活は一人ひとりまったく違います。

だから私は、

「障害年金はいくらもらえますか?」

という質問の次に、

「そのお金で、どんな生活をしたいですか?」

まで考える必要があると思っています。

障害年金はゴールではありません。

仕事、住まい、福祉サービス、家族、そしてほかの社会保障と組み合わせて、初めてその人の生活を支えるものになります。

制度を知ることは、そのための最初の一歩です。


2026年版 最後にこれだけ確認

障害年金について迷ったら、最低限ここを確認してください。

2026年度の障害基礎年金

1級:年1,059,125円
2級:年847,300円

障害年金生活者支援給付金

1級:月7,025円
2級:月5,620円

働いたら?

働いただけで一律停止ではありません。ただし障害状態の認定との関係には注意が必要です。

20歳前傷病は?

所得制限があります。

障害年金は課税される?

非課税です。

生活保護と併用できる?

可能な場合があります。ただし障害年金は原則として収入認定され、最低生活費との差額が保護費になります。

障害者手帳は必要?

手帳がなくても障害年金を請求できる場合があります。

いつから請求できる?

原則として初診日から1年6か月後の障害認定日が重要です。

昔の分は?

障害認定日請求なら、条件を満たしていても時効により遡及は原則最大5年です。事後重症請求は請求日の翌月分からです。

障害年金は、知らないまま諦めるにはあまりにも生活への影響が大きい制度です。

そして、受給できた後にも「そのお金でどう暮らすか」という次の問題があります。

制度と生活を切り離さずに考えること。

それが、障害年金を本当に生活に生かすために必要なことだと思います。

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