はじめに
障害年金を受給している方や、その家族からよく聞く質問があります。
「障害年金だけで暮らしていけるのでしょうか」
結論から言うと、
暮らせる人もいます。
しかし、多くの場合は簡単ではありません。
なぜなら、
問題は障害年金の金額ではなく、
生活にいくらかかるかだからです。
この記事では、障害年金の制度だけではなく、
実際の生活費
住まい
働き方
親亡き後
まで含めて考えていきます。
障害年金はいくらもらえるのか
2025年度の障害基礎年金額は、
障害基礎年金1級
約103万円/年
月額換算 約8万6千円
障害基礎年金2級
約83万円/年
月額換算 約6万9千円
程度です。
子どもの加算などが付く場合もありますが、
多くの方が受給するのはこの水準です。
障害年金2級だけで暮らすとどうなるか
例えば函館市で一人暮らしをする場合を考えてみます。
かなり控えめに見積もっても、
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃 | 35,000円 |
| 食費 | 30,000円 |
| 光熱費 | 12,000円 |
| 通信費 | 5,000円 |
| 日用品 | 5,000円 |
| 医療費等 | 5,000円 |
| 合計 | 92,000円 |
となります。
障害基礎年金2級の約69,000円だけでは、
毎月23,000円不足します。
不足額を年間で考える
月23,000円不足すると、
年間では
276,000円
になります。
10年で
276万円。
20年で
552万円。
不足額は想像以上に大きくなります。
親が残した預金も、
少しずつ減っていくことになります。
実家暮らしならどうか
実家暮らしの場合、
家賃負担がありません。
そのため、
必要な生活費は大きく下がります。
しかし問題があります。
それは親亡き後です。
今は成立している生活も、
親が亡くなった瞬間に成立しなくなる可能性があります。
親亡き後問題を考える時、
実家暮らしは最も安い選択肢ですが、
最も変化に弱い選択肢でもあります。
グループホームという選択肢
親亡き後を考える際、
多くの家族が検討するのがグループホームです。
函館周辺でも増えています。
家賃補助(特定障害者特別給付費)を活用すると、
家賃負担が軽減される場合があります。
また、
見守り
服薬管理
生活相談
などの支援も受けられます。
一方で、
空室不足や待機の問題もあります。
親が元気なうちから情報収集をしておくことが重要です。
働くことで景色が変わる
ここで重要なのが就労です。
例えば、
障害年金2級
月69,000円
B型工賃
月15,000円
合計
84,000円
になります。
さらに障害者雇用で
月80,000円の収入があれば、
生活設計は大きく変わります。
障害年金は、
生活費の全てを賄うものではなく、
生活を支える土台として考える方が現実的です。
FPとして考える本当の問題
FPとして見ると、
重要なのは年金額ではありません。
重要なのは、
毎月の収支です。
例えば、
収入 85,000円
支出 80,000円
なら生活は安定します。
しかし、
収入 100,000円
支出 120,000円
なら資産は減り続けます。
親亡き後問題で考えるべきなのは、
「いくらもらえるか」
ではなく
「いくらで暮らせるか」
なのです。
私が現場で見てきたこと
就労継続支援B型事業所を運営していると、
障害年金だけで生活している方もいます。
一方で、
障害年金を受給していても、
お金が足りず苦労している方もいます。
その違いは、
年金額ではありません。
住まい。
支援者。
働く場所。
生活スタイル。
こうした要素が大きく影響します。
だから私は、
障害年金をお金の問題としてではなく、
生活設計の問題として考えるべきだと思っています。
まとめ
障害年金だけで暮らせるか。
答えは、
「人による」です。
しかし確実に言えることがあります。
障害年金だけを見ても答えは出ません。
住まい
就労
支援者
生活費
親亡き後
これらを含めて考える必要があります。
障害年金はゴールではありません。
その人らしい生活を支える土台なのです。


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