はじめに
「FP(ファイナンシャル・プランナー)」と聞くと、多くの人は保険や資産運用を思い浮かべるかもしれません。
しかし、障害や介護のある家庭では、お金だけを考えても問題は解決しません。
住まいがなければ暮らせない。
働く場所がなければ収入は続かない。
支援者とのつながりがなければ地域生活は維持できない。
親が元気なうちに準備できなければ、親亡き後の生活は不安定になります。
だから私は、お金だけではなく、
- 障害
- 介護
- 住まい
- 働き方
- 相続
- 空き家
を横断して考える「福祉特化FP」という立場で情報発信をしています。
なぜ今、福祉特化FPが必要なのか
日本には障害のある方が約1,164万人いると推計されています。
内訳は、
- 身体障害者 約423万人
- 知的障害者 約127万人
- 精神障害者 約603万人
です。人口のおよそ9%に相当する規模です。
一方で、高齢化も進んでいます。
親が高齢化し、
障害のある子どもも中高年になる。
いわゆる「8050問題」は福祉現場では珍しい話ではなくなりました。
親亡き後問題も、その延長線上にあります。
お金だけでは解決できない
例えば、
「障害のある子どもに財産を残したい」
という相談があります。
しかし実際には、
財産を残すことより、
- 誰が金銭管理をするのか
- どこに住むのか
- 日中はどこで過ごすのか
- 緊急時は誰が対応するのか
の方が大きな問題になることがあります。
これはFPだけでは対応できません。
逆に福祉職だけでも難しい。
だから、
お金
住まい
生活
支援体制
を一緒に考える必要があります。
障害者雇用が増えても安心とは限らない
障害者雇用は拡大しています。
2025年の集計では、民間企業で働く障害者は約70万4千人となり過去最高を更新しました。
しかし別の見方も必要です。
実雇用率は2.41%。
法定雇用率達成企業は46%に留まっています。
さらに2026年7月からは法定雇用率が2.7%へ引き上げられる予定です。
つまり、
障害者雇用は増える。
しかし、
「働ければ安心」
ではありません。
収入
住居
支援
健康
家族関係
を含めた生活設計が必要になります。
私が見てきた現場
私は作業療法士として医療・介護・障害福祉の現場に携わってきました。
現在は就労継続支援B型事業所を運営しています。
現場で感じるのは、
生活が崩れる原因は一つではないということです。
お金の問題に見えても、
実は住環境の問題かもしれません。
就労の問題に見えても、
家族関係が影響していることがあります。
相続問題のように見えても、
空き家や介護の問題が背景にあることもあります。
だから私は、
FPだけでも、
OTだけでもなく、
複数の視点を持つ必要があると考えています。
福祉特化FPが扱うテーマ
このブログでは主に以下のテーマを扱います。
- 親亡き後問題
- 障害のある方の住まい
- 障害年金と生活設計
- グループホームと一人暮らし
- 介護離職
- 相続と空き家
- 障害者雇用
- 福祉サービスとお金
単なる制度解説ではなく、
「実際に生活はどうなるのか」
という視点で考えていきます。
おわりに
福祉の課題は、お金だけでは解決できません。
しかし、お金を考えなければ解決しない課題もあります。
障害、介護、住まい、お金。
それぞれを別々に考えるのではなく、一つの生活として考える。
それが福祉特化FPという考え方です。
今後このブログでは、親亡き後問題や障害のある方の生活設計について、現場経験とデータの両方を踏まえて発信していきます。

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